| 話題の種別:[ラグナ雑談]
2005/08/10(Wed) 09:37:38 編集(投稿者)
すっかり亀島にも慣れた─── 最初は、狩ってる人の冷たさに絶望していた・・・。 楽しくない。楽しくないが、いくしかない。 転生したいから。
クリックを重ねるたび、強くなっていく目の前の男。 そして、それを見ている、弱い男の話───
最初は、楽しかった。 亀島の話じゃない。ラグナをはじめて、間もないころのことだ。 イズルードの広場に出た俺は、まず目の前にたまっている連中にきづいた。 「ぉ、初心者か?」 「めずらしーw」 俺がじっと見つめていたので、あちらから切り出してきたようだ。 彼らは相当レベルが高いらしく、なにやら発光している人もいた。 わからないことを、聞きたい。何もかもを、知りたい。 俺は、返事をした・・・。 何もかも、すべてが新鮮だった───
俺は彼らに連れられ、いろんな場所を見せてもらった。 一番驚いたのは、もちろんプロンテラだ。 美しい曲と、風景。そして、道を多い尽くす人。人。人・・・。 これが首都か・・・。 今までやってきた、どのオフラインゲームとも違う感覚。 体中にビリビリと流れるものがあった。
余韻にひたりながら、いよいよ狩場を紹介してもらう。 クリックして攻撃・・・。また、クリックして・・・。 「Ctrlキーを押しながら叩けば、ずっと攻撃できるよ^^」 教えてくれたのは、ノエルさんというブラックスミス。 俺はそれを聞いて、正直にスゴイと思った。それだけで尊敬した。 さらに、ノエルさんはいろいろなことを教えてくれる─── 俺は何度も礼を言った。
もう大体のやり方はわかった。 俺は初めて、ひとりでラグナを歩き回った。 いろいろ考えた結果、フェイヨンダンジョンのスモーキーがいいと判断。 もらった+6スティレットを片手に、もくもくと狩りを続けた───
転職の朝。 JOB40になった俺は、ついに2次職に転職をした。 「ノエルさん!ノエルさん!おれ、やっと2次職になりましたよ!」 「はじめての2次職です!もう、みんなと同じ2次職ですよ!」 「ノエルさん!ノエルさん!一緒に、狩りに連れて行ってくださいよ!」 「もう俺、一人前になりましたよ!お金だってたくさん溜まりました!」 「ノエルさん!ノエルさん!今どこにいるんですか!?」 「早くあって、この感動を伝えたいです!」 「ノエルさん!ノエルさん!なんでいないんですか」 「早くあって、ありがとうを、言わせてくださいよ・・・」 昨夜までは、wisで話をしていた。 ただ、リアルが忙しいんだろう。そうだ、そうに違いない。 今夜にでも、きっとログインしてくれるさ───
その日を境に、ノエルさんは姿を消した。 毎日、いろんな時間帯にwisを繰り返すが、いない。 溜まり場にもいくが、ギルドメンバーの姿すらない。 「ノエルさん・・・」 俺は、なんだか、楽しくなくなって。 泣いてしまった。 だってゲームじゃないか・・・。なに感傷的になってんだ・・・俺。 そうして、いつのまにか1年がたった・・・・・・・。
現在、亀島で転生を目指す一人の男。 毎日、毎日、ある男にwisを送る。返事はない。 待ち人は、こないだろう。永遠に。 それでも、あの人に、ラグナの楽しさを教えてくれた、あの人に。 ありがとう を。 言わせてくれよ・・・頼むから・・・。ノエルさん・・・。
───倉庫には、スロットもない+6スティレットが1本。持ち主のもとに、戻れる日を夢見ている───
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